製作資料集

ステンレス溶接による歪み

ステンレスの板にコの字の曲げ物を溶接しました。




ステンレス HL材 t=2.0ミリの平板にコノ字曲げ材を溶接で固定しました。


上記の写真は強度を考えて2㎝程度溶接を施した時の表面に出た歪みの写真です。



写真は溶接直後の茶色焼けは取った状態です。





光の当て方によって歪みの見え方が変わりますが、歪みが出ています。




次は歪みを減らすために、溶接長を極力少なくしています。



小さな点の歪みが出ています。



光の加減で目立ったりします。

よくお客様から、この様な溶接(平面に溶接)で品物を製作する図面を頂くのですが、

この歪みの処理や歪みに関する認識の違いを感じる時があります。

溶接をすると必ず歪む、この歪みをなるべく目立たないようにするのが

技術なのですが、どこまでの手間(費用)を掛けて目立たなくするのか?

小さな点の歪みでも、当社からすれば歪んでいるので、サンダー等で削り、

再度HL研磨をしてさらに目立たなくしないといけないように感じますが、

手間をかければ掛けるほど、価格に反映してしまいますので

使用場所や用途、お客様の考え方などをよくお伺いしない答えが出ません。

そもそも歪み具合の感じ方もお客様、それぞれなので気を使います。

 

ちなみに角部分を溶接で加工すると平面部分に比べて目立ちません。(こちらを参照

 

アルミ補強リブ溶接による歪み

厚さ3.0ミリのアルミの庇に補強リブを溶接した事例になります。



リブの厚さも3.0ミリの板を溶接でしました。


裏側の写真です



角度を変えて撮影


上の方に歪みが出ています。


拡大


どうしても溶接を行うと少なからず歪みが発生してしまいます。

補強をボルトなどで固定し溶接を行わないようにすると今度はボルトが目立ってしまいます。

 

ステンレス製 床見切仕上げ

ステンレスの床見切りや上り框のコーナー部分の仕上げの写真です。



当社での通常コーナー部分の仕上がりの写真です。



擦り合わせ・溶接・サンダー仕上げ・研磨作業・再度HL目を立て直します。

幅が40くらいの床見切りでも1箇所行うのには、それなりの時間を要しますので、

それなりの費用が発生してしまいます。

ごく稀にですが、費用を抑えるためにコーナー部分の仕上げを下記のように

仕上げることがあります。





見つけ部分(正面)にすじが見えています。 この部分は溶接されていません。

曲げ物をすり合わせただけの状態です。

溶接は見込み(側面)部分に少しだけ行って終了です。

もちろん面取りなどはしっかり行っていますので、用途的には問題はありません。

外観に0.5ミリ程度のスジ(隙間)見えるのと、溶接長が短いので、

溶接箇所が動くような取付方法だと通常の仕上げに比べると

溶接箇所が割れてしまう可能性が高くなります。

使用場所・外観・取付方法を考える必要はありますが価格を抑えることは出来ます。

 

溶接ナットのホップナット

当社で扱う板の厚みは通常0.8ミリ~3.2ミリ程度の板になります。

この程度の厚さの板にタップ加工(ネジ山を切る)場合、小さなM4程度でも何回も

緩めたり閉めたりするとネジ山が潰れてしまいます。

当社では、このような場合、溶接ナットやポップナットを使用します。


溶接ナット



下穴に少し出っ張りがあるナットを入れて溶接して固定します。

写真は裏面ですが、表にM6の場合でΦ9・M8でΦ11の穴が開きます。


ポップナット



写真はステンレスHL材にM4のポップナットを取り付けています。



表面の状況です。ポップナットは表面にも板を挟み込んで固定する為に少し出っ張りが

出来ます。(種類によっては下穴を皿加工に施し締結した板と同面にすることも可能です)

 

製作資料集 ①